Maker Faire Tokyo 2017 に出展してきました
先日の 告知通り、Maker Faire 2017 に出展してきました。今年は、東京ビックサイトの東7-8ホールという、正門から一番遠い場所にある会場でした。
Raspberry Pi を使って、電子楽器用のシンセサイザ音源を作り続けて 3 年目。去年までは、音源に音色変更用のボタンをつけただけのものでしたが、今年は音色エディット用のパネルの製作に挑みました。
パネルにノブを並べるだけではありきたりなので、長年あたためていたアイデアである、ノブと EG セグメントの対応が直感的にわかる UI、という仕掛け組み合わせて、初めてシンセを触る人でも簡単に音作りのコツが掴めるシンセサイザの実現を目指しました。またもう一つ、こちらも長年やりたいと思っていた、ヤマハ DX1 のアルゴリズム表示部を再現するという試みも行いました。
EGの遷移に合わせて光るノブ
FM音源では、オペレータごとに用意されている多数の EG(エンベロープジェネレータ)を簡便にエディットできるようにすることが簡単に音作りできるようにするためのポイントなので、まずはこれをノブで操作できるようにしました。また、今回開発したシンセサイザでは、発音させると、EG の遷移に合わせて、対応するノブが点灯するようになっており、どのノブがどの位置のエンベロープを変化させるのかが容易にわかるようになっています。EG のパラメータは、必要最小限に絞ることにより、少ないノブで必要十分な表現ができるよう工夫してあります。
7セグメントLEDを使ったアルゴリズム表示部
もう一つのチャレンジが、ヤマハの FM シンセサイザー DX1 の、アルゴリズム表示部を復刻する試みです。アルゴリズム表示部が 7 セグメント LED をマトリックス状に並べて、レイアウトに合わせて必要な部分が点灯するという、贅沢な仕様でした。以前に NAMM Show に出展されていた現存の 1 台を見たことがありますが、見た目は(現代のシンセに比べれば)地味ながらも個人的には大興奮した一品です。これを自作で復刻したというわけです。
また、この 7 セグメント LED は、タッチセンサとして機能するようにもなっており、タッチしたオペレータのパラメータを LCD 上に呼び出すことができます。こちらの動画でその動作の様子を見ることができます。仕組みは、タッチセンサの周りに銅箔テープを貼り、それを電極として静電容量を検出しスイッチとして作動させるというものです。原理試作ができるまではうまくいくか心配でしたが、意外にもすんなり動作しました。こんな簡単な方法でもスイッチを作れるので、今まで見たこともない部品との組み合わせで操作子を作れるかもしれませんね。
これから
まだまだ荒削りですが、徐々にシンセの中身が揃ってきましたので、次は、筐体を作ってみたいと思っています。基板むき出しなのが今ひとつなので、アクリルで上面だけでも仕上げたいと考えています。また、今回はユニバーサル基板とポリウレタン線を使った工作でしたが、そろそろ配線作業に限界を感じ始めたので、安価になって手を出しやすくなったプリント基板製作にもチャレンジするつもりです。
ブースにご来場いただき説明を聞いてくださったみなさま、また、会期中に交流させていただいた出展者のみなさま、楽しい時間をありがとうございました。
関連リンク
- 「けものエフェクター」も登場。本格派~異色の音モノがMaker Faireに集結 - 藤本健さんによる Maker Faire 2017 レポート。拙作をご紹介いただきました!
- 奇楽堂's site - いつもご一緒させていただいている奇楽堂さん。自作電子楽器を多数作られているほか、楽器を自作するための部品の販売も行なっています。
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